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永久歯が生えてこないときの原因と対処法

子どもの歯の生え変わりでよくある悩みと対処法

「乳歯が抜けたのに、次の永久歯がなかなか顔を出さない…」 「乳歯がグラグラしないのに、裏側から大人の歯が生えてきた!」

大切なお子様の歯の生え変わり。順調に進んでいると思っていたら、予期せぬトラブルに「このまま様子を見ていいの?」「すぐに歯医者さんへ行くべき?」と、多くの保護者の皆様が不安を感じます。

この記事では、皆様が特に悩みがちな以下の2大トラブルについて、原因と対処法を解説します。

  • パターン1:乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてこない
  • パターン2:乳歯が抜けないのに、永久歯が生えてきた

ご家庭でできること、そして歯科医院を受診すべきタイミングを正しく知って、お子様の大切な歯を一緒に守っていきましょう。


 

【パターン1】乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてこない

乳歯が抜けてできたスペースに、なかなか永久歯が生えてこないと心配になりますよね。考えられる主な原因を見ていきましょう。

 

永久歯が生えてくるまで、どれくらい待つのが普通?

乳歯が抜けてから永久歯が顔を出すまでの期間は、一般的に3ヶ月前後とされています。ただし、これはあくまで目安です。お子様の成長スピードには個人差があるため、半年から1年ほどかかるケースも珍しくありません。

しかし、1年以上経っても生えてくる気配がない場合や、周りの歯との生え変わりのペースと比べて明らかに遅い場合は、何らかの原因が隠れている可能性があります。

 

なぜ?永久歯が生えてこない主な原因

  1. 永久歯がもともとない(先天性欠如) 顎の骨の中で永久歯が作られていない状態です。この場合、乳歯が抜けた後も永久歯は生えてきません。レントゲン撮影ではっきりと診断できます。
  2. 歯が骨や歯茎に埋まっている(埋伏歯) 永久歯は存在するものの、骨や分厚い歯茎に埋もれてしまい、外に出てこられない状態です。特に、生えるスペースが不足している場合に起こりやすいです。
  3. 余分な歯が邪魔をしている(過剰歯) 本来の歯の数より多く作られた「過剰歯」が、永久歯の行く手を阻んでいるケースです。これもレントゲンで確認できます。
  4. 生える時期が来ていない 乳歯が虫歯やケガなどで早く抜けすぎてしまうと、永久歯の成長が追いつかず、生えてくるまでに時間がかかることがあります。

 

どうすればいい?対処法と受診のタイミング

乳歯が抜けてから3ヶ月が一つの目安です。心配な場合は、一度歯科医院で相談してみましょう。特に、半年~1年経っても生えてこない場合は、レントゲン撮影で原因を特定することをおすすめします。

原因によって、以下のような治療法が検討されます。

  • 先天性欠如の場合: 将来的に矯正治療やブリッジ、インプラントなどの補綴治療で歯の機能と見た目を補います。
  • 埋伏歯の場合: 歯茎を少しだけ切開して歯の頭を出し、生えてくるのを助ける処置(開窓牽引)を行うことがあります。
  • 過剰歯の場合: 多くは抜歯をして、永久歯が正しく生えるためのスペースを確保します。

小児歯科


 

【パターン2】乳歯が抜けないのに、永久歯が生えてきた

「サメの歯みたいに、乳歯の後ろから永久歯が!」これも非常によくあるケースです。慌てずに原因と対処法を知っておきましょう。

 

なぜ?乳歯が残ったまま永久歯が生える原因

永久歯は通常、真下にある乳歯の根を溶かしながら、それを押し出すように生えてきます。しかし、何らかの理由で永久歯が生える位置が少しずれてしまうと、乳歯の根が十分に溶かされず、抜けないまま残ってしまうのです。

特に、下の前歯で起こりやすく、乳歯の内側(舌側)から永久歯が顔を出すことが多く見られます。これは、顎が小さい、歯が大きいなど、永久歯が並ぶためのスペースが不足していることも一因です。

 

そのまま放置しても大丈夫?

永久歯が少し生えてきても、乳歯がグラグラ揺れている場合は、自然に抜けるのを待っても良いことが多いです。 乳歯が抜ければ、舌の力に押されて永久歯が自然と正しい位置に移動していくことが期待できます。

ただし、以下の場合は注意が必要です。

  • 乳歯が全くグラつかず、しっかりと固定されている
  • 永久歯がかなり大きくなっても、乳歯が抜ける気配がない
  • お子様が食事の際に痛がったり、歯磨きがしづらそうにしている

このような状態を放置すると、永久歯がずれた位置で固まってしまい、将来的な歯並びの乱れ(叢生・乱ぐい歯)や、噛み合わせの問題につながる可能性があります。

 

どうすればいい?対処法と受診のタイミング

乳歯の内側から永久歯が見え始めたら、まずは歯科医院で診てもらいましょう。レントゲンで顎の中の状態を確認し、乳歯が自然に抜けそうか、あるいは抜歯が必要かを判断します。

多くの場合、グラグラしていない乳歯は、永久歯が正しく生えるのを導くために抜歯が選択されます。早めに不要な乳歯を抜いてあげることで、永久歯は本来の位置へとスムーズに移動しやすくなります。


 

歯科医院を受診すべきタイミングまとめ

お子様の歯の生え変わりで、以下のようなサインが見られたら、自己判断で様子を見続けず、お気軽に歯科医院へご相談ください。

  • 乳歯が抜けてから3ヶ月以上、永久歯が生えてこない
  • 左右どちらか片方だけ生え変わりが極端に遅い
  • 乳歯が抜けないまま、永久歯が横や裏から生えてきた
  • 歯茎の腫れや痛みがある
  • 明らかに歯並びがおかしいと感じる

 

まとめ:お子様の健やかな未来のために、早めの相談を

歯の生え変わりは、お子様の成長における大切なステップです。ほとんどのケースは自然な過程で解決しますが、中には専門的な介入が必要な場合もあります。

「ちょっと気になるな」という小さなサインが、将来の健康な歯並びや噛み合わせを守るための重要なきっかけになります。ご家庭での判断に迷ったら、ぜひ私たち専門家にお任せください。レントゲン撮影などで正確な状況を把握し、お子様一人ひとりに最適なアドバイスをさせていただきます。

日本小児歯科学会