石黒歯科医院|市川市の歯医者|小児歯科

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子供の仕上げ磨きは大事?

子供の歯を守る仕上げ磨きの重要性

なぜ仕上げ磨きをしなければならないの?

仕上げ磨きとは、子供が自分で歯を磨いた後に、大人がもう一度丁寧に磨いてあげるケアのことです。子供の歯は大人の歯に比べてやわらかく、むし歯菌に対する抵抗力も弱いため、特にむし歯になりやすい状態にあります。また、子供は手先が未発達で細かい部分までしっかり磨くことが難しく、どうしても磨き残しが多くなりがちです。大人が仕上げ磨きをすることで、奥歯の溝や歯と歯の間、歯ぐきの境目など、見えにくくて磨きにくい部分まできちんとケアできます。仕上げ磨きは、単なる補助ではなく、子供のむし歯や歯肉炎を防ぐための大切な予防習慣です。

正しい仕上げ磨きの方法

まずは子供の口の中がしっかり見える体勢をとることが大切です。保護者の膝の上に子供を仰向けに寝かせ、頭を膝の上に置くと、歯全体が見やすくなります。歯ブラシは歯に垂直に当て、小刻みに優しく動かします。力を入れすぎず、毛先が歯や歯ぐきに軽く触れる程度で磨きましょう。毎回同じ順番で磨くことで、どの歯も均等にケアできます。所要時間はおよそ3分を目安にしましょう。

仕上げ磨きはいつから始める?

乳歯が生え始める生後6~8か月頃から、仕上げ磨きを始めるのが理想です。この時期は「歯ブラシに慣れさせる」ことが目的。無理に磨こうとせず、口の中にブラシを入れる練習から始めましょう。この年齢の子供は動きも多くじっとできないことが多いため、安全な体勢をとり、事故を防ぐ工夫が必要です。前歯の内側や奥歯の溝など、汚れが溜まりやすい部分をやさしくケアしていきましょう。

歯ブラシの選び方

仕上げ磨き用の歯ブラシは、子供の口に合った小さめのヘッドで、毛先が柔らかいものを選びましょう。持ちやすいデザインかどうかもポイントです。大人は鉛筆を持つように軽く握る「ペングリップ」で持つと、力加減の調整がしやすくなります。毛先が広がってきたら、衛生面を考えて月1回を目安に交換しましょう。

歯磨き粉は必要?

フッ素入りの子供用歯磨き粉を、米粒大〜グリーンピース大のごく少量で使うと効果的です。フッ素は歯を強くし、むし歯予防に役立ちます。ただし、うがいが上手にできないうちは無理に使う必要はありません。水だけのブラッシングでも問題なく、子供の様子に合わせて進めていきましょう。

歯科医師から見た仕上げ磨きの価値

日本歯科医師会や日本小児歯科学会も、仕上げ磨きの継続を強く推奨しています。特に乳歯から永久歯への生え変わり期は、歯並びが不安定で磨き残しが増えやすく、むし歯のリスクが高まります。毎日の仕上げ磨きは、むし歯や歯肉炎の予防だけでなく、歯や歯ぐきの変化に早く気づくための観察の機会でもあります。「歯の色が変わった」「歯ぐきが腫れている」といった小さなサインを早期に発見できるのです。また、仕上げ磨きを続けている子供は、歯科を怖がらずに口を開けることにも慣れていく傾向があります。

卒業の目安は?

日本小児歯科学会では、おおむね10歳頃までは仕上げ磨きを続けることを勧めています。この時期は永久歯が生えそろい始め、歯質がまだ未成熟なため、むし歯への対策が特に重要です。また、仕上げ磨きを通して、子供に正しい歯磨きの方法を自然に教えることができ、自立した口腔ケアの力を育てる基盤になります。

嫌がる子への工夫

子供が仕上げ磨きを嫌がるときは、「楽しい時間」に変える工夫が効果的です。好きな音楽をかけたり、「歯磨きのうた」を歌ったりして、遊びの延長として行うと協力的になりやすくなります。お気に入りのキャラクターの歯ブラシを使ったり、磨き終えたらシールやスタンプをごほうびにしたりするのも良い方法です。無理にやろうとせず、子供の機嫌のよい時間帯を選ぶことも大切です。「今日はママ、明日はパパ」と役割を変えてみるのも、マンネリを防ぐ助けになります。

日本小児歯科学会(外部サイトへ移動)